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そろばんの知識公開

子どもが勉強に集中できないときは? 日本の教室に学ぶ、集中力を育てる8つの方法(5〜8歳)

「5分座ると、すぐに体をひねったり、話しかけてきたり、水を飲みに行ったりします」――5〜8歳のお子さまをもつ保護者から、私たちがいちばんよく聞く言葉です。「うちの子は何か問題があるのでは」と心配する前に、知っておいてください。6歳の子が、与えられた一つの課題に集中できるのは10〜15分ほどで、それがふつうです。考えるべきなのは「どうすれば1時間座っていられるか」ではなく、「どうすればその10分を本当の集中にして、少しずつのばしていけるか」です。この記事では、日本の教室――そして私たちのそろばん教室――が毎日使っている8つの方法をご紹介します。

短い答え

5〜8歳の子どもは、まだ長く集中することはできません。でも、短いまとまりごとに注意を始めること、そして保つことは学べます。方法は、決まった始まりの儀式、課題をタイマーつきの5〜7分のまとまりに分けること、何もない机で一度に一つのことだけをすること、正しい姿勢で座ること、ちょうどよい難しさの課題(正答率およそ80%)、自分の成長が目に見えるようにすること、まだやりたいうちにやめること、そして十分な睡眠と運動です。もしどんな場面でも――好きな遊びをしているときでさえ――集中できず、それが6か月以上続く場合は、小児科医か心理の専門家に相談してください。

5〜8歳の子どもが集中できる時間は、どれくらいがふつう?

多くの教育者が使っている目安があります。大人から与えられた課題(自分で選んだ遊びではなく)なら、1歳につき2〜3分ほどです。つまり、5歳なら10〜15分、6〜7歳なら12〜20分、8歳なら16〜24分です。日本の小学校の授業は45分ありますが、いくつもの短い活動に分けられているのはこのためです。私たちのそろばん教室でも、70分を7つのパートに分けていて、いちばん長いパートでも20分です。

この目安と比べると、保護者が心配している「集中できない」子の多くは、実は……年齢相応なのです。問題はたいてい、子どもではなく、学習の組み立て方にあります。

勉強に集中できない、よくある5つの原因

  • 課題が長すぎて、終わりが目に見えない。「宿題を全部やる」は大人の目標です。6歳の子にとって、それには形がありません。「この10問を5分でやる」なら形があります。
  • 課題が難しすぎる、または簡単すぎる。難しすぎる → 体をひねったり話しかけたりして逃げます。簡単すぎる → 飽きてしまいます。この年齢では、「ちょうどよい」幅がとても狭いのです。
  • 目を引くものが多すぎる環境。物でいっぱいの机、隣の部屋でついているテレビ、光るお父さん・お母さんのスマートフォン。小さな子どもには、大人のような「フィルター」がまだありません。
  • 睡眠不足、運動不足、空腹。6歳の子には、9〜11時間の睡眠と、毎日少なくとも1時間体を動かして遊ぶことが必要です。学校で一日座っていたあと、すぐにまた座らせるのはとても難しいことです。
  • 勉強の前の画面。短い動画やゲームは、数秒ごとに画面が変わります。そのあとでは、動かないプリントのページは、子どもの脳にとって「遅すぎる」ものになってしまいます。車の中でスマートフォンを見てから教室に来た日と、そうでない日とでは、はっきりした違いが見られます。
医師に相談したほうがよいのは? もしどんな場面でも――とても好きな遊びをしているときでさえ――集中できず、いつも落ち着かない、考える前に動いてしまう、忘れ物やなくし物が多い、といったことが6か月以上続き、家でも学校でも起きている場合は、小児科医か心理の専門家に相談して評価を受けてください。この記事は、それよりずっとよくある場面――遊ぶときは集中できるのに、勉強になると集中できない――のためのものです。

日本の教室が毎日使っている、集中力を育てる8つの方法

どれも家庭でできて、特別な道具はいりません。保護者の方がイメージしやすいように、そろばん教室での様子も書き添えます。

  1. 決まった始まりの儀式(2分)

    子どもは、意志の力で集中のスイッチを入れるのではありません。習慣で入れるのです。私たちの授業は、毎回まったく同じように始まります。立つ、礼をする、「お願いします」と言う、座る、そろばんを0にする。家庭では、同じ席、同じひと言(「さあ、始めよう!」)、同じ最初の作業(鉛筆をそろえる、教科書の正しいページを開く)にします。2週間たつと、儀式そのものが子どもを勉強モードに引き込んでくれます。

  2. タイマーつきの5〜7分のまとまりに分ける

    そろばんの授業の最初は「マス計算」です。25マスまたは100マスの計算表をタイマーで計り、子どもが自分でタイムを記録します。集中しきった5分は、ぼんやりした30分にまさります。家庭では、砂時計やキッチンタイマーを使って「この5分はこのページだけ」。時間になったら1分休んで、次のまとまりへ。週ごとに5 → 7 → 10分と、少しずつのばしていきます。

  3. 何もない机で、一度に一つのことだけ

    勉強の前には、机の上にはいまやることに必要なものだけを置きます。プリント1枚、鉛筆1本です。そろばん教室では、「準備・片づけ」(整理整頓)が独立した一つのステップになっています。道具を決まった場所に置いてから始めます。まわりが整うと、心も整います。

  4. まず姿勢、勉強はそのあと

    日本では、姿勢(しせい)を本当の学習内容として教えます。背すじを伸ばし、両足を床につけ、そろばん(またはノート)を正面にまっすぐ置きます。姿勢は背中によいだけではありません――まっすぐな体は、寝そべった体よりも長く注意を保てます。家庭では、机といすを合った高さにして、「集中して」と言う前に「背すじを伸ばして」と声をかけましょう。

  5. ちょうどよい難しさ:正答率およそ80%

    これは、KSCのすべてのテストの基準です。決められた時間内に80%正解できたら、次の課題へ進みます。もし楽に100%正解できるなら簡単すぎ、正解が60%未満なら難しすぎ――そして、どちらも集中を奪います。難しさは、お子さんの学年ではなく、実際の結果をもとに毎週調整してください。

  6. 自分の成長を自分の目で見えるように

    私たちの生徒は一人ひとり記録カードを持っていて、毎回のタイムと点数を自分で書きこみます。「きょうは3分20秒、きのうは3分45秒」は、どんなばくぜんとしたほめ言葉よりも強いやる気になります。家庭では、壁に紙を1枚はり、毎日プリントにかかった時間を子どもが自分で書きます。ルールはただ一つ。比べるのは、きのうの自分とだけ。きょうだいとは比べません。

  7. まだやりたいうちにやめる

    逆のように聞こえますが、子どもがまだ乗り気なうちに勉強を終えるのが、あしたもまた机に向かわせるいちばん確かな方法です。そろばんの授業は、子どもが夢中になっているときでも、いつも時間どおりに「ありがとうございました」のあいさつで終わります。家庭でも、15分は15分です。

  8. 十分な睡眠、十分な運動、勉強の前は画面なし

    睡眠が足りない子どもには、上のどの方法もうまくいきません。9〜11時間の睡眠、1時間の運動、そして勉強の前の30分は画面を見ないこと――この3つが、どんな「方法」よりも大きな違いを生みます。

始めるための2週間プラン(1日15分)

1週目2週目
儀式同じ席、同じひと言、鉛筆をそろえる・教科書を開く(2分)そのまま続ける。声をかけなくても子どもが自分でできる
まとまり1簡単な課題を5分、タイマーつき(例:10までの暗算プリント)7分、少しだけ難しい課題(正答率およそ80%)
休けい1分、立って水を飲む1分
まとまり2別の課題を5分(読む、ぬり絵、パズル)5分、2つの中から子どもが選ぶ
終わり子どもが表にタイムを書き、「おしまい!」と言う子どもが自分で書いて、きのうと自分で比べる

2週間たつと、6〜7歳の子の多くは、立ち上がらずに7〜10分のまとまりを2つこなせるようになります。それは、本当の集中で20分――多くの大人が思っているより長い時間です。

なぜ日本では、集中力を育てるためにそろばんを選ぶ家庭が多いのか?

そろばんに魔法の力があるからではありません。そろばんの授業の組み立てそのものが、上の8つのことだからです。それが3年間、毎週くり返されます。あいさつの儀式、タイマーつきのマス計算、何もない机、姿勢、ちょうどよいレベルの課題、記録カード、時間どおりの終わり。さらに、珠をはじく作業そのものが、目で問題を見て、手で珠をはじき、頭で数を覚えておくことを、同時に求めます。ほかの活動ではなかなか得られない、まるごとの注意の練習です。だからこそ多くの保護者が、「速く計算するため」より先に「集中するため」にそろばんを習わせるのです。

授業の7つのパートの流れは、授業はどのように進む?で詳しく紹介しています。また、「タイマーつきの5分のまとまり」を今夜さっそく試してみたいなら、無料の練習プリントの中の25マス計算プリントが、私たちのおなじみのウォーミングアップです。

よくある質問

子どもが勉強に集中できないときは、どうすればいい?

決まった儀式で始め、課題をタイマーつきの5〜7分のまとまりに分け、机の上を片づけ、姿勢を整え、ちょうどよい難しさの課題(正答率およそ80%)を選び、成長を子ども自身に記録させ、時間どおりにやめましょう。そして、十分な睡眠と運動、勉強の前は画面なし、を守ります。2週間続けてから判断してください。

6歳の子は、どれくらい集中できる?

与えられた課題なら、およそ12〜20分です(1歳につき2〜3分の目安)。自分で選んだ好きなことなら、もっとずっと長く集中できます。ですから、1時間座っていることを期待するより、勉強を短いまとまりに分けましょう。

小学1年生の集中力は、どうやって育てる?

声かけではなく、習慣で育てます。同じ時間、同じ場所、同じ始め方。タイマーつきの短い課題。結果は子どもが自分で記録する。そろばん、パズル、楽器の演奏のように、目・手・頭をいっしょに使う活動も、注意力をとてもよく育てます。

集中できないのは、ADHD(注意欠如・多動症)だから?

ほとんどの場合、そうではありません。次の点に気をつけてください。どんな場面でも――好きな遊びをしているときでさえ――集中できず、落ち着かなさや考える前に動いてしまうことをともない、それが6か月以上、家でも学校でも続いている場合は、小児科医か心理の専門家に相談して、正しく評価してもらいましょう。この記事は、医学的な診断の代わりにはなりません。

そろばんを習うと、集中できるようになる?

はい。日本式のそろばんの授業は、集中力を育てる原則(儀式、タイマーつきの短いまとまり、姿勢、ちょうどよい課題、記録カード)にそって組み立てられていますし、珠をはじく作業は目・手・頭を同時に働かせるからです。2〜3か月たつと、前より長く座って勉強できるようになったと感じる保護者が多くいます。

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Kodomo Soroban Center 講師チーム

この記事は Kodomo Soroban Center の講師チームが、こどもスクール(日本・1976年からそろばん教育)の指導法と教材にもとづいて書いています。センターはハノイ市教育訓練局の認可を受けており、私たちの事業は文部科学省の EDU-Portニッポン応援プロジェクト(2026年度)に採択されています。

私たちについてEDU-Portニッポン教育活動の認可

株式会社森田グループ(日本)のグループ会社1976年から愛知県でそろばん教育 · こどもスクール 約90拠点

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