子どもが自分から勉強するようになるには? 日本の家庭に学ぶ、机に向かう6つの小さな習慣

「言わないとやらない。言いすぎると怒る」。多くの保護者がこう話してくれます。私たちはハノイで子どもたちにそろばんを教えている日本人です。そこで見えてくるのは、自分から勉強する力は生まれつきの性格ではなく、毎日の小さなくり返しで育つ習慣だということ。この記事では「しくみ」の話をします。いつ、どこで、どんな順番で勉強するか、です。

子どもが自分から勉強するようになるには、毎日声をかけるかわりに、同じ時間・同じ場所・同じ順番という決まった「勉強のしくみ」をつくり、親の出番を少しずつ減らしていきましょう。
- 毎日同じ時間に。時間は家族でいっしょに決める
- 勉強する場所を決め、机の上は勉強の物だけに
- 今日のやることリストに、子どもが自分でチェック
- タイマーで1回10〜15分に区切る
- 前の晩に、明日の準備を自分で
- 親は見守る。代わりにやらず、終わったらいっしょに見直す
「自分から勉強する」とはどういうこと? 何度言っても自分からやらないのはなぜ?
自分から勉強するとは、だれかに一つずつ言われなくても、自分で始めて、最後までやり、見直しまですることです。小学生の場合、それは意志の強さよりも、はっきりした勉強のしくみと「自分でできた」という気持ちから生まれます。
毎晩、親が「勉強しなさい」と言っていると、勉強の時間を決めているのは親になり、子どもは言われるのを待つことに慣れてしまいます。だから、声を大きくするより、決まったしくみに声かけの代わりをしてもらいましょう。
「今日はやるかどうか」を毎日決めなくてすみます。
そこに座れば「勉強の時間だ」とわかります。
親に聞かなくても、次にやることがわかります。
勉強を避ける、「つかれた」と言う、まちがいをこわがる、といった様子もあるなら、先に子どもが勉強をなまけるときはどうする?をご覧ください。
自分から勉強する子に育てる、毎日の6つの小さな習慣
下のうちいくつかは、日本の多くの小学校が保護者に伝えているアドバイスにも入っています。残りは、私たちが教えてきた経験からです。1〜2つ選んで、数週間続けてから次を足しましょう。
- 毎日同じ時間に。時間は家族でいっしょに決める
たとえば、学校から帰る→おやつを食べて少し休む→勉強→遊ぶ。順番は家庭ごとに決めてかまいません。大切なのは、毎日同じであること。子どもと相談して決めた時間のほうが、親が決めた時間より続きやすいものです。
家で始めるなら勉強の時間を子ども自身が紙に書いて、勉強する場所にはりましょう。忙しい日は、やめるのではなく時間をずらします。
- 勉強する場所を決め、机の上は勉強の物だけに
自分の机でも、ダイニングテーブルの一角でもかまいません。いつも同じ場所であることが大切です。始める前に、おもちゃを片づけ、スマホやタブレットは別の場所へ。机の整え方は子どもが勉強に集中できないときは?で紹介しています。
- 今日のやることリスト:子どもが自分で書き、自分でチェック
小さな紙に2〜4つ書きます。「算数12ページ」「教科書を2回読む」「明日の準備」。低学年なら絵でもかまいません。終わったら、自分で印をつけます。次にやることを、親の顔ではなくリストを見て知るようになったら、それが「自分から」の始まりです。
家で始めるなら最初の1週間は親子でいっしょに書きます。2週目からは子どもが書き、親は「今日はいくつある?」と聞くだけにします。
- タイマーで短く区切る:1回10〜15分
タイマーは終わりを見せてくれます。「鳴ったら休けい」。2つのあいだに、立って水を飲みます。スタートボタンは子どもに押してもらいましょう。それが「自分で始める」最初の一歩です。
- 前の晩に、明日の準備を自分で
日本では、多くの小学生が夜のうちに翌日の時間割を見て、ランドセルの中身を自分でそろえます。1年生のうちは、親がいっしょにやることが多いものです。寝る前に「明日の準備はできた?」と声をかけるだけでよい、とすすめる学校もあります。日本の小学生の一日もご覧ください。
- 親は見守る:一つずつ指示しない、代わりにやらない
日本語でいう見守るです。そばにいても、やるのは子ども自身(3〜6歳の「日本式」子育てもご覧ください)。質問されたら、説明する前に「最初は何をすればいいと思う?」と聞き返してみましょう。終わったら、いっしょに見直します。日本の多くの小学校でも、家で勉強したものに保護者が目を通し、サインや一言を書くようお願いしています。
何年生から一人で勉強できる? 学年ごとの目安
一人で勉強できるようになる「正しい年齢」はありません。下の表は私たちの経験からの目安で、日本の多くの小学校が保護者に配る「家庭学習の手引き」の内容とも近いものです。ペースは一人ひとり違います。
| 子どもがすること | 親がすること | |
|---|---|---|
| 小学1年 | 決まった時間に机に向かい、絵つきのリストどおりに進める | 近くで見守り、終わったらいっしょに見直す |
| 小学2〜3年 | 自分で始め、今日の宿題を自分で確かめる | ずっととなりにはいない。最後に見に行く |
| 小学4〜5年 | その日の勉強と1週間の計画を自分で立てる | 週に1回、計画について子どもと話す |
大切なのは向きです。親の出番は少しずつ小さく、子どもが自分で決める部分は少しずつ大きく。学校の授業についていけていないなら、まずそちらを手伝いましょう。子どもの勉強がゆっくり・のみこみがおそいときはどうする?もご覧ください。
「勉強しなさい!」のかわりに、何と言えば自分から始める?
命令されると、子どもは命令を待つようになります。質問されると、自分で決めなければなりません。そして、自分で決めることが「自分から」の第一歩です。
子どもが自分で決められる質問
- 「今日は何時から始める?」
- 「リストはあといくつ残ってる?」
- 「どの教科からやりたい?」
- 「今日いちばんむずかしいのはどこ?」
せかす言葉・命令
- 「勉強しなさい!」
- 「いつになったら机に向かうの?」
- 「早くして、まだ終わらないの?」
- 「貸して、お母さんがやったほうが早い」
言われなくても自分で始めたときは、それを言葉にしましょう。「今日は自分で時間どおりに机に向かったね」。親が「自分から」に気づいていることが、子どもに伝わります。
声かけを一つ減らして、質問を一つ増やす。
数日は続いたのに、やめてしまった。どうする?
よくあることです。続かなかったときは、子どもを叱る前に、やり方を直しましょう。
- できたことを見えるようにする。勉強する場所にカレンダーをはり、終わったら子どもが自分で1マスぬります。ぬったマスが並ぶと、大きなごほうびがなくても続ける理由になります。
- できなかった日は、次の日にまた始める。叱らない。2倍の量で「取り返させ」ない。
- やめるのではなく、小さくする。忙しい日は、リストの1つ目だけ。全部やることより、時間と場所を守ることのほうが大切です。
- 子どもだけでなく、しくみを見直す。勉強の時間が、いちばんつかれている時間と重なっていませんか? リストが長すぎませんか? 1か所だけ直して、もう1週間試してみます。
目標は、一度も忘れないことではなく、自分でまた戻ってこられることです。
そろばん教室では、どうやって「自分から」の習慣を育てている?

Kodomo Soroban Center の60分の授業は、いつも同じ順番の7つのパートで進みます。はじめのあいさつ、準備(自分で道具を出し、そろばんを0にする)、マス計算、そろばん、暗算とフラッシュ暗算、片づけ、終わりのあいさつ。いちばん長いパートでも20分ほどです。
順番が変わらないので、だんだん多くの子が、言われなくても次にやることがわかるようになります。授業の終わりには自分で記録カードに結果を書き、毎回、家でやる練習プリントも持ち帰ります。
Vinhomes Gardenia のセンターのクラスは3〜5人だけ。生徒は家でも、会員コードでそろばん練習ルーム(ベトナム語)を使って練習できます。「学習記録」のページには、練習した日が残ります。
無料の練習プリントの1枚を、やることリストの1つにしてもよいでしょう。1回の授業の流れもご覧ください。無料の体験授業は、お問い合わせページから、または電話・Zalo 096.802.8484 でお申し込みください。
よくある質問
子どもは何歳くらいから一人で勉強できますか?
すべての子に共通する年齢はありません。私たちの経験では、小学1年生ではまだ親が近くにいたほうがよい子が多く、2〜3年生になると自分で始められる子が増え、親は最後に見直すだけでよくなります。4〜5年生では、自分で計画を立てる練習ができます。これは目安で、達成しなければならない基準ではありません。
自分から勉強するように、お金をごほうびにしてもいいですか?
おすすめしません。お金のごほうびは外からのひと押しで、私たちの経験では、ごほうびがなくなると止まってしまいがちです。毎日1マスぬるカレンダーのように、できたことを目に見えるようにして、がんばったことを具体的にほめましょう。
親がとなりに座らないと勉強しません。どうすればいいですか?
小学1年生なら、よくあることです。やることリストとタイマーに、少しずつ親の代わりをしてもらいましょう。次にやることはリストを見て、いつ終わるかはタイマーを見てわかるようにします。親は同じ机で自分の用事をし、タイマーが鳴ったら見に行くだけにします。
家での勉強は1日どのくらいがいいですか?
日本では、宿題も含めて「学年×10分」を1日の目安にしている小学校が多くあります。1年生なら10分くらい、3年生なら30分くらいで、さらに10分を足す学校もあります。これは目安で、決まりではありません。長さよりも、毎日続けることのほうが大切です。
勉強しながらスマホで遊ばないようにするには?
勉強の時間は、スマホやタブレットを勉強する場所の外に置きましょう。たとえば別の部屋の箱に入れておき、親もそばでスマホを使わないようにします。スマホの時間は勉強とは別のルールにして、勉強のごほうびにはしないようにしましょう。
無料体験で、そろばんを試してみませんか
ハノイ・Vinhomes Gardenia のセンターで、1クラス3〜5人、1回60分。日本で教えているのと同じ方法です。電話・Zalo 096.802.8484。





