子どもの勉強がゆっくり・のみこみがおそいときはどうする? プレッシャーをかけずに追いつく7つの方法

先生が一度説明すると、まわりの子はもうできているのに、うちの子は2回、3回と聞かないとわからない。となりの子はとっくに終わったのに、まだ問題文を読み返している。「うちの子、のみこみがおそくて」と心配する保護者も多くいます。私たちはハノイで子どもたちにそろばんを教えている日本人の講師です。そこで見えてくるのは、「勉強がゆっくり」とは、多くの場合、その子が自分のペースで進んでいるだけということ。比べる相手はクラスの友だちではなく、きのうのわが子です。

勉強がゆっくり、のみこみがおそいのは、多くの場合、頭のよしあしではなく、もっと小さな一歩とゆっくりしたペースが必要だということ。つまずいている所を見つけて、一歩ずつ進めるように手伝いましょう。
- 比べる相手は友だちではなく、きのうのわが子
- 理由をさがす:土台の抜け、速すぎる説明、まちがいへのこわさ、つかれ、見え方・聞こえ方
- 小さく分けて、物や図で見せる
- 毎日10〜15分、同じ時間に、つまずいている所を
- できたことを記録して、がんばり方をほめる
- 担任の先生と連絡をとる
勉強がゆっくりなのは、できない子だから?「ゆっくり」の正しい見方
同じ年でも、ペースは同じではありません。聞けばすぐわかる子、目で見て確かめたい子、何回か自分でやってみてやっと自信がつく子。だからこそ大切なのは、保護者がわが子をだれと比べるかです。
きのうのわが子と比べる
- 「きのうは3問、今日は4問できたね」
- 「先週は問題を3回読んでいたのに、今は2回でわかるね」
- 「自分でまちがいを見つけたね」
クラスの友だちと比べる
- 「あの子はあなたより10分早く終わったよ」
- 「あの子は10点、あなたは7点」
- 「あの子はすぐわかったのに、どうしてわからないの?」
左の言い方は、子どもに「前に進んでいる」ことを見せます。右の言い方は、「後ろにいる」ことしか見せません。自分が伸びていると感じられる子は、その一歩がどんなに小さくても、また学びたくなります。
のみこみがおそいのはなぜ? よくある5つの理由
いくつもの教科でゆっくりなときは、理由は教科そのものより、次のどれかにあることが多いものです。いくつか重なっていることもあります。
新しい内容は、前の内容の上に積み重なります。文章題に時間がかかるのは、まだ文をすらすら読めないからかもしれません。かけ算九九に時間がかかるのは、たし算がまだ不安だからかもしれません。
1つ目のステップがわからないうちに、クラスはもう3つ目に進んでいます。
やり方はわかっているのに書けず、大人がうなずくのを待っている。外から見ると、ゆっくりに見えます。
つかれた頭には、新しいことが入りにくいもの。朝から夜まで予定がいっぱいなら、なおさらです。
目を細める、ノートに顔を近づける、何度も聞き返す、ということはありませんか? 黒板がよく見えていない、先生の話が全部は聞こえていない、ということもあります。
1〜2週間、子どもの様子を見てみてください。どの教科の、どんな問題で、一日のいつごろ手が止まるでしょう? どこでつまずいているかがわかれば、「早くしなさい」と何度言うよりも子どもの助けになります。心配なときは、担任の先生や専門家に相談し、目と耳の検査も受けてみてください。
算数だけがゆっくり? 子どもが算数が苦手なときはどうする?をご覧ください。わかってはいるけれど、じっと座っていられない? 子どもが勉強に集中できないときは?をご覧ください。
勉強がゆっくりな子には、どうすればいい? 家でできる7つの方法
特別な方法はいりません。必要なのは、もっと小さな一歩と、毎日の決まった時間と、そばにいる根気強い大人です。
- 一度にひとつ、うんと小さく分ける
1ページ全部ではなく、まず3問。3問終わったら、次の3問を。いくつも手順がある問題は、1つずつに分けます。問題を読む、数字に線を引く、図をかく、それから計算する。小学1・2年の文章題の記事と同じ流れです。
家で始めるならプリントを折って、1行だけ見えるようにしましょう。ページ全体を見て気が重くなることがなく、「ひとつ終わった」がすぐに見えます。
- 物や図で見せる
聞くだけではわかりにくくても、見たりさわったりするとわかりやすくなる子はたくさんいます。たし算には豆、長さの単位には定規、文章題には小さな図を。
- 毎日10〜15分、同じ時間に
これは、つまずいている所を保護者がいっしょに見る時間のことで、宿題全体の時間ではありません。私たちの経験では、毎日少しずつのほうが、週末にまとめて2時間やるより、しっかり身につきます。
家で始めるなら毎日決まっていることにくっつけましょう。たとえば午後のおやつのすぐあと。つかれている日は5分でもかまいません。子どもが自分から勉強する習慣のつくり方もご覧ください。
- できたことを記録する
壁に紙を1枚はり、毎日、子どもが自分でシールをはるか、正解した問題の数を書きます。その紙は、ここまでどれだけ進んできたかを見せてくれます。「ゆっくりだね」と言われがちな子が、つい忘れてしまうことです。
- 結果より、そこまでの過程をほめる
点数はゆっくりしか上がらなくても、がんばりは毎日見えます。具体的にほめましょう。「きのうはヒントがいったのに、今日は自分でできたね」。ほめ方のくわしいことは、子どもが勉強をなまけるときはどうする?をご覧ください。
- まちがいを責めない。「どこまでわかった?」と聞く
この質問で、手が止まっている所がはっきりします。ステップ1と2はわかっていて、3だけでつまずいている、ということもあります。まちがいは、手助けが必要な場所を教えてくれる地図。できない証拠ではありません。
- 先生と連絡をとる
授業でどこで手が止まりやすいか、来週は何を習うかを、先生に聞いてみましょう。前もってわかれば、家で少しだけ慣れておくことができます。
ポイント月に1回、短いメッセージで十分です。「最近、どこが伸びていて、どこでつまずいていますか?」
勉強がゆっくりな子に、しないほうがいい4つのこと
どれも「友だちに追いついてほしい」という気持ちから出ること。でも多くの場合、子どもはかえってゆっくりになります。
- きょうだいや友だちと比べる。やり方は身につかず、「自分はいつも後ろにいる」と覚えるだけです。
- 取りもどそうと、長い時間すわらせる。頭がつかれていれば、時間を増やしても、わかることは増えません。
- 代わりに解く、すぐに答えを言う。問題は早く終わっても、つまずいている所はそのまま残ります。ヒントになる質問をひとつして、考えるのを待ちましょう。
- 「なんでできないの?」と聞く。この質問に、子どもが言葉にできる答えはありません。「どのステップで止まったか、いっしょに見てみよう」に言いかえましょう。
勉強がゆっくりな子にとって、保護者の根気強さは、そのまま「わかるまでに必要な時間」になります。
日本の小学校は、土台をどう教えている?
日本の小学1年生は、たし算を習う前に「いくつといくつ」をじっくり学びます。10までの数を、物や図を使って分けたり合わせたりする学習です。かんたんに見えますが、あとで習うくり上がりのあるたし算、くり下がりのあるひき算の土台になります。
このやり方から私たちが学んだのは、土台に時間をかけるのは「後もどり」ではないということ。勉強がゆっくりな子は、前の学年の内容をしっかり固め直すと、そのあとの内容をかえって速く進めることが多いのです。
こちらもご覧ください:小学1年の「いくつといくつ」、日本の「思考力の算数」とは?
ゆっくりでも確かなほうが、速くて穴だらけよりずっといい。
その子のペースで:私たちのそろばん教室のやり方
Kodomo Soroban Center(ハノイ、Vinhomes Gardenia)は1クラス3〜5人で、5歳のクラスと小学生のクラスがあります。カリキュラムはレベル0、1A、1B、2と段階ごとに進むので、子どもは自分のペースで学べます。
60分の授業は7つの短いパートに分かれていて、いちばん長いパートでも20分ほど。そろばんの珠は目で見て指でさわれるので、どの計算にも具体的なイメージがあります。
家では、無料の練習プリントから始めるのもよい方法です。子どもがほとんど正解できる、やさしいレベルを選びましょう。センターの生徒は、会員コードでそろばん練習ルーム(ベトナム語)を使って、毎日少しずつ練習もできます。1回の授業の流れもご覧ください。無料の体験授業は、お問い合わせページから、または電話・Zalo 096.802.8484 でお申し込みください。
よくある質問
勉強がゆっくりなのは、頭がよくないからですか?
多くの場合、そうではありません。私たちが見てきたかぎり、勉強がゆっくりな子の多くは、何か具体的なことでつまずいています。前の学年の土台の抜け、速すぎる説明、まちがいへのこわさ、つかれ、見え方・聞こえ方などです。つまずいている所を、その子のペースで手伝ってもらうと、はっきり伸びる子がたくさんいます。
算数ののみこみがおそいときは、どこから始めればいいですか?
土台から始めましょう。小さな数を数えずにぱっと見てわかるか、たして10になる組み合わせを覚えているかを見ます。まだ不安なら、豆や指などの物を使って、毎日10〜15分練習し直します。土台が固まると、その先の問題はずっと楽になることが多いものです。
1日どのくらい、子どもといっしょに勉強すればいいですか?
多くの小学生には、つまずいている所を保護者がいっしょに見る時間として、1日10〜15分くらいがひとつの目安です。学校の宿題の時間は別です。長さより大切なのは、毎日同じ時間・同じ場所で続けることです。
先生や専門家に相談したほうがいいのは、どんなときですか?
家で毎日手伝っていても何か月もゆっくりなままのときや、保護者が心配なときは、担任の先生と話してみましょう。先生は教室での様子を見ているので、どこでつまずいているかを教えてくれます。目を細める、何度も聞き返すといった様子があれば目と耳の検査を受け、それでも心配なら専門家に相談しましょう。
小学校の入学を1年おくらせたほうがいいですか?
小学1年への入学を1年おくらせるかどうかは、それぞれの家庭にとって大きな決断で、すべての子に当てはまる答えはありません。子どもの様子を見て、家族で話し合い、学校とも相談してから決めましょう。何年に入学しても、いちばんの助けになるのは、自分のペースで、大人に根気強く見守られながら学べることです。
無料体験で、そろばんを試してみませんか
ハノイ・Vinhomes Gardenia のセンターで、1クラス3〜5人、1回60分。日本で教えているのと同じ方法です。電話・Zalo 096.802.8484。





