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そろばんの知識公開

小学1年の子に速い暗算を教える方法(日本式):5つのステップ、1日10分

小学1年生になっても指で数えている、たし算がゆっくり、「10をこえる」計算でよくまちがえる――そんなお子さんはいませんか。この記事は、日本で子どもに教えるのと同じ順番で、保護者の方がお子さんに速い暗算を教えるためのガイドです。数えること、数を分けたり合わせたりすること、10をこえるたし算・ひき算、そしてイメージでの暗算まで、1日10分の練習スケジュールと無料の練習プリントつきでご紹介します。私たちはそろばんの先生なので、そろばんが役に立つときと、まだ必要ないときについても、はっきりお伝えします。

短い答え

小学1年の速い暗算は、たくさん問題を解くことから生まれるのではなく、正しい順番の5つのステップから生まれます。(1)20までの数をすらすら数え、数を見てわかるようにする。(2)「5の友」と「10の友」(あわせて5、あわせて10になる数の組)を覚える。(3)10までのたし算・ひき算を指を使わずにする。(4)10をこえるたし算・ひき算を、数を分けてする(7 + 5 = 7 + 3 + 2)。(5)頭の中で言葉を唱えるのではなく、イメージで暗算する――そろばんか、点の図を使って。1日10分、4〜6週間で、お子さんははっきり変わります。以下で、一つずつやり方を説明します。

なぜ暗算が遅いの? よくある3つの原因

教える前に、お子さんがどこでつまずいているかを見てみましょう。Kodomo Soroban Centerの体験授業で、私たちは次の3つの原因に何度も出会います。

  • 数を「見て」いるのではなく、数えている。4 + 3を計算するのに、指で「5、6、7」と数えます。幼稚園では数えるのが正解ですが、小学1年では4 + 3を「4にあと1で5、さらに2で7」と見られるようになる必要があります。つまり、数を5のまとまりで見ることです。
  • 「10の友」の数の組をまだ覚えていない。7と3、6と4、8と2……。この土台がないと、10をこえるたし算はどれも数えなければならず、小学1年の算数でいちばん多く学ぶところ(20まで)でちょうどつまずいてしまいます。
  • イメージではなく、言葉で計算している。頭の中で「なな たす ご は……」と唱えてから、記憶の中で答えを探します。暗算の速い人――そしてそろばんを習う日本の子ども――はそうしません。数をイメージとして見て、それを「動かして」います。これがいちばん大きな違いで、しかも練習で身につけられるものです。

うれしいことに、3つとも家庭で直せます。保護者の方が算数が得意でなくても、順番を守って続ければ大丈夫です。

ステップ1・20までの数をすらすら数え、「見て」わかる(1週目)

たし算・ひき算を急がないでください。まずは、お子さんが次の3つを考えずにできるか確かめましょう。

  1. 前からも後ろからも数える:1から20まで、20から1まで。2とびでも数える(2、4、6…)。
  2. 数えなくても量がわかる:保護者の方が指を3本、5本、5本と2本とさっと見せて、お子さんがすぐに「3」「5」「7」と言う。これはそろばんの最初の学びです。7は5の珠1つと1の珠2つであって、ばらばらの7つのものではありません。
  3. 前の数・後ろの数を言う:「12の前はいくつ? 15の後ろはいくつ?」

おすすめの遊び:豆やペットボトルのふたを5つずつ並べ、一部をかくして「いくつ?」と聞きます。教室では、そろばんそのものをこの練習に使います。そろばんに7を置くと、自然に7 = 5 + 2が見えるのです。そろばんとは?に0〜9の数の図がありますので、参考にしてください。

ステップ2・「5の友」と「10の友」を覚える(1〜2週目)

これはいちばん大切なのに、よく飛ばされてしまうステップです。日本の速い暗算は、2つのとても小さな表をもとにしています。

5の友1 ↔ 4 · 2 ↔ 310までのたし算・ひき算で「足りない」ときに使う:3 + 4 = 3 + 5 − 1
10の友1 ↔ 9 · 2 ↔ 8 · 3 ↔ 7 · 4 ↔ 6 · 5 ↔ 510をこえるたし算・ひき算で使う:7 + 5 = 7 + 3 + 2 = 12

教え方:毎日1分、「すばやく質問・答え」の遊びをします。保護者の方が「7!」と言ったら、お子さんが「3!」。「4!」なら「6!」。考えずに(1秒以内に)答えられるようになったら、ステップ4に進む準備ができています。そろばんでは、この2つの表を言葉で暗記する必要はありません。お子さんの手が何百回もそれをくり返すからです。1の珠が足りなければ5の珠を使う(5の友)、一の位に入る場所がなければ十の位から借りる(10の友)。そろばんでは、これを5の友の計算、10の友の計算と呼んでいます。

そろばんでの7 + 5:一の位から5をはらい、十の位に1を入れて12になる
そろばん式の7 + 5 = 12:5と5は「10の友」なので、5をはらって十の位に1を入れます。数えるのではなく、「10をこえる」計算が目に見えます。

ステップ3・10までのたし算・ひき算を指を使わずに(2〜3週目)

目標:10までのたし算・ひき算50問を3分で、まちがいなし。指を使わなくなるための、3つの小さなきまりがあります。

  • 1、2をたすとき:大きい数から数え足す。2 + 7 → 7から始めて「8、9」。数えてよいのはこのときだけです。
  • 5をたすとき:目に見える5のまとまり。3 + 5は「3と5のまとまり1つ」で8。そろばんがあれば、5の珠を1つ下ろすことです。
  • 3、4をたすとき:5を通る。3 + 4 = 3 + 5 − 1(5の友)。はじめは遠回りに感じますが、1週間もすれば頭の中で考えずにできるようになります。

ひき算は逆の手順で、さらにもう一つの考え方を加えます。ひき算は足りない数を見つけることです。9 − 6なら「6にいくつたすと9になる?」。今覚えた10の友と5の友の表をそのまま使います。記事の最後にある練習プリント13と14(10まで)は、このステップのためのものです。

ステップ4・10をこえるたし算・ひき算は数を分けて(3〜4週目)

ここは小学1・2年の子どもにとっていちばん難しいところで、ほとんどの子が「計算が遅い」のはここです。ベトナムの教育課程では、20までのくり上がり・くり下がりのある計算は小学2年のはじめに正式に習いますが、ほとんどの子はもっと早く出会いますし、この先のすべての計算の土台になります。ですから、小学1年の2学期(後期)から練習するのがちょうどよいでしょう。日本の教え方には、きまりが一つしかありません。まず10にまとめて、残りをたすです。

7 + 5 = ? 7は10になるのに3がいる(10の友)。5を3と2に分ける。7 + 3 = 10、10 + 2 = 12。
13 − 5 = ? まず10までひく:13 − 3 = 10。あと2をひく:10 − 2 = 8。

家での教え方:計算を大きく書いて、「7はあといくつで10になる?」と聞きます。お子さんは10の友の表で答えます。次に「5は3といくつに分けられる?」と聞きます。質問は2つだけ、長い説明はいりません。20〜30問ほどで、お子さんはその2つの手順を頭の中で自分でできるようになります。このとき、速さを求めてはいけません。正しさと、やり方を声に出して言うことを求めてください。速さはステップ5でついてきます。

そろばんを習っているお子さんなら:これはまさにレベル1A(10の友)です。手が慣れてくると、「5を3と2に分ける」と考える必要はなくなります。一の位に入る場所がないのが見えて、5をはらい、十の位に1を入れるだけです。より速く、しかもイメージがあるので、まちがえることがありません。

ステップ5・正しい計算から速い暗算へ:イメージで暗算する(4週目から)

正しく計算できるようになったら、速さは「言葉で計算する」から「イメージで計算する」へ切りかえることから生まれます。そろばんを習っているかどうかで、2つの方法があります。

方法A:そろばんを習っていない場合――「5の点の図」で暗算

一つひとつの数を、5つずつ並んだ点(さいころやドットカードのように)として思い浮かべるよう教えます。7は5の列1つと点2つ。5をたすのは列を1つ増やすこと。12は列2つと点2つです。保護者の方が計算をゆっくり読み上げ、お子さんは目を閉じて「点を並べ」、答えを言います。この方法で20まではかなりよくできるようになりますが、2〜3桁に広げるのは難しいです。

方法B:そろばんを習っている場合――頭の中のそろばんで暗算(anzan)

これが、日本の子どもが速く暗算する方法です。本物のそろばんに慣れたら、そろばんの上に手を置いても珠をはじかず、珠が動くところだけを想像します。次にそろばんをしまい、目を閉じて、頭の中で「はじき」ます。そろばんのイメージには一の位、十の位、百の位があるので、この方法は何桁もの数へ、さらにかけ算・わり算へと進んでいけます。Kodomo Soroban Centerでは、4回目の授業から暗算を、6回目からフラッシュ暗算(画面に数字が次々と表示されるもの)を始めます。保護者の方は、私たちのオンライン暗算練習ツールをお子さんに試してもらうこともできます。1桁・3口・1秒から始めてみてください。

そろばんの1つの桁で表した0から9までの数
一つひとつの数を、ただ一つの珠の形として「見る」ことができるようになると、暗算はイメージを動かすことになります。頭の中で唱えるよりずっと速くなります。

1日10分の練習スケジュール(6週間)

週メインの練習(7分)しめくくり(3分)プリント
120まで前から・後ろから数える。指を見せて、お子さんがすぐに数を言う。5の友の質問・答え「前の数・後ろの数」遊び–
210の友の質問・答え(1分)。10までのたし算を指を使わずに保護者の方が読み上げる計算5問に、お子さんが答えを言う13
310までのひき算(「足りない数を見つける」)10の友の質問・答えをできるだけ速く14
410をこえるたし算を数を分けて。やり方を声に出して言うイメージでの暗算3問(5の点の図かそろばん)15
510をこえるひき算(まず10までひく)フラッシュ暗算 1桁・3口・1.5秒16
620までのたし算・ひき算をまぜて、時間をはかり、記録するフラッシュ暗算 1桁・4口・1秒15 + 16

量よりも、続けることが大切です。毎日10分のほうが、週末の1時間よりも効果があります。時計を使って、お子さんをきのうの自分と比べさせてください。きょうだいや友だちと比べないこと――これは私たちがどのクラスでも守っている決まりです。

暗算を教えるときに保護者がしがちな5つのまちがい

  1. 正しくできないうちに速さを求める。

    速さははっきりしたイメージの結果であって、せかした結果ではありません。まちがいが多いときは、練習時間を増やすのではなく、一つ前のステップに戻りましょう。

  2. 早すぎる時期に指を禁止する。

    1週目は指を使ってかまいません。指をやめるのは、5の友・10の友の表と「5のまとまり」が頭に入ってから――ふつうは2〜3週目です。

  3. しくみではなく、こつを教える。

    「9をたすときは10たして1ひく」はよいこつですが、数を分けたり合わせたりすることがわかってからにしましょう。土台のないこつは、2年生になるとこぼれ落ちてしまいます。

  4. 毎日ちがう種類の問題をする。

    6歳の子どもにはくり返しが必要です。1週間に1種類、5日間同じ形の問題をして、はじめて「知っている」から「考えずにできる」に変わります。

  5. 保護者が説明しすぎる。

    2つの質問(「7はあといくつで10になる?」「5は3といくつに分けられる?」)のほうが、5分の説明よりも効果があります。自分で見つけたことは、長く覚えています。

そろばんが役に立つのはいつ? まだ必要ないのはいつ?

正直に言えば、小学1・2年の20までの計算だけなら、保護者の方が上のスケジュールで6週間根気よく続ければ、そろばんがなくてもお子さんははっきり上達します。そろばんが本当に役に立つのは、次のようなときです。

  • お子さんがやってみたけれど、まだ指で数えているとき(1〜2か月たっても)――そろばんは、言葉では伝えられない「5のまとまり」「10のまとまり」の具体的なイメージをお子さんに与えます。
  • 保護者の方がお子さんに2〜3桁の暗算をできるようになってほしい、さらにかけ算・わり算へ進んでほしいとき――「5の点の図」ではそこまで行けませんが、頭の中のそろばんなら行けます。
  • お子さんに集中力と学ぶ姿勢も同時に身につけてほしいとき――日本式のそろばんの授業は、画面を使わない60〜70分で、あいさつ、姿勢、片づけがあります。

決める前にそろばんのことを知りたい方は、家でそろばんを学ぶ方法で最初の7ステップを図つきで紹介しています。また年齢についての記事で、お子さんの準備ができているかを確かめられます。

小学1年の暗算練習プリント(無料PDF)

この記事に合わせた練習プリントは、無料の練習プリントのページにあります。プリント13〜14(10まで、たし算とひき算)、15〜16(10をこえる)、17(100まで、くり上がりなし)、18(100まで、くり上がりあり、小学2年向け)。どのプリントも2ページで、問題と答えがあり、お子さんが自分で記録できるように時間を書く欄がついています。ほかに、小学1年の思考力の算数(ベトナムで「トアン・トゥ・ズイ」と呼ばれる、考える力を育てる算数)のプリント19〜22(あてはまる数を入れる、くらべる、きまりを見つける、ます目の計算)もあります。

よくある質問

小学1年の子に速い暗算を教えるにはどうすればよいですか?

5つのステップを順番どおりに進めます。20までの数をすらすら数えて見てわかるようにする、「5の友」と「10の友」の組を覚える、10までのたし算・ひき算を指を使わずにする、10をこえるたし算・ひき算を数を分けてする(7 + 5 = 7 + 3 + 2)、そして頭の中で唱えるのではなくイメージで暗算する。1日10分、4〜6週間です。

小学1年生は計算棒や指を使ってもよいですか?

はい、はじめのうちは使ってかまいません。計算棒や指は、数の量を理解するのに役立ちます。でも2〜3週目からは「5のまとまり」(ドットカードやそろばん)に切りかえて、数をまとまりで見られるようにし、だんだん道具を使わないようにしていきましょう。

小学1年生でまだ指で数えているのは遅れているのですか?

1学期(前期)なら、遅れではありません。指で数えることが問題になるのは、10をこえる計算を習ったあとも、まだ一つずつ数えているときです。そのときは速さを求めるのではなく、10の友の表と数を分けることに戻りましょう。

日本式の暗算とは何ですか?

頭の中のそろばんのイメージで計算すること(anzan)です。計算を頭の中で唱えるのではなく、珠が動くところを思い浮かべるので、何桁もの数をとても速く計算できます。日本の子どもは、まず本物のそろばんを習い、それから少しずつ暗算へ移っていきます。

速い暗算のために、そろばんを習わせる必要はありますか?

小学1・2年の20までの計算なら、必須ではありません。記事のスケジュールで6週間練習すれば十分です。そろばんが役に立つのは、1〜2か月たってもまだ指で数えているとき、2〜3桁の暗算やかけ算・わり算をできるようになってほしいとき、あるいは集中力と学ぶ姿勢も同時に身につけてほしいときです。

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Kodomo Soroban Center 講師チーム

この記事は Kodomo Soroban Center の講師チームが、こどもスクール(日本・1976年からそろばん教育)の指導法と教材にもとづいて書いています。センターはハノイ市教育訓練局の認可を受けており、私たちの事業は文部科学省の EDU-Portニッポン応援プロジェクト(2026年度)に採択されています。

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株式会社森田グループ(日本)のグループ会社1976年から愛知県でそろばん教育 · こどもスクール 約90拠点

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