子どもが勉強をなまけるときはどうする? しかる前に試したい、日本の先生のやり方

「机に向かうと『つかれた』、本を開くと『お水飲みたい』、3回言ってやっと鉛筆を持つ」。多くの保護者がこう話し、ため息をつきます。「うちの子、なまけてばかりで」。私たちはハノイで子どもたちにそろばんを教えている日本人の講師です。そこで見えてくるのは、「なまけ」の裏には、ほとんどいつも具体的な理由があるということ。そして、しかってもその理由にはなかなか届きません。

「なまけている」ように見える子は、やる気がないのではなく、何か具体的なことでつまずいていることがほとんど。その理由を見つけて、始める一歩をうんと小さく、やさしくしましょう。
- まず理由をさがす:むずかしすぎる、やさしすぎる、つかれ、まちがいがこわい…
- 最初の一歩はうんと小さく:「1問だけ」「5分だけ」
- 毎日同じ時間・同じ場所で、勉強を習慣に
- 終わりを見せて、「できた」を目に見える形に
- 「頭がいいね」ではなく、がんばりとやり方をほめる
- 比べない、おどさない、代わりにやらない
子どもはなぜ勉強をなまける? よくある6つの理由
何もしたくない、という子に出会うことはめったにありません。多いのは、次のどれかです。いくつかが重なっていることもあります。
わからないと避け、やさしすぎるとあきます。「なまけ」は、ときに「わからない」のサインです。
学校で長い一日を過ごしたあとは、休んで軽く何か食べてから勉強に向かいたいものです。
「宿題しなさい」は、子どもには大きすぎる仕事。最初の一歩が見えません。
まちがえると何か言われるなら、いちばん安全なのは…やらないことです。
光っている画面に、ノートはなかなか勝てません。大人でも同じです。
勉強のたびに最後はしかられて終わると、子どもは「机に向かう=こわいこと」と覚えてしまいます。
数日、子どもの様子を見てみてください。どの問題で、いつ、どの教科で手が止まるでしょう? 「どうしてなまけるの?」より「どうしてまだ始めたくないのかな?」のほうが、子どもの助けになります。算数だけが苦手なら、子どもが算数が苦手なときはどうする?もご覧ください。
自分から机に向かえるように、日本の先生がよくやる5つのこと
「がんばりなさい」と言うかわりに、始める一歩をやさしくしましょう。日本の先生がよく使う5つの方法です。どれも家でできます。
- 最初の一歩をうんと小さく:「1問だけ」「5分だけ」
いちばんむずかしいのは、始めること。「これなら簡単」と思えるほど小さな一歩なら、いったん鉛筆を持てば、そのまま続ける子も多いものです。
家で始めるなら「宿題しなさい!」ではなく、「最初の1問だけやろうか」と声をかけてみましょう。その1問が終わったら、休んでもかまいません。
- 毎日同じ時間・同じ場所で
勉強の時間が、夕ごはんの時間のように一日の決まった一部になると、子どもは「やるかどうか」を決めなくてすみます。日本では、子ども部屋でひとりではなく、リビングやダイニングの机で、親の近くで勉強させる家庭も多くあります。
家で始めるなら続けやすい時間帯を選びましょう。たとえば午後のおやつのあと。時間の区切り方や机の片づけについては、子どもが勉強に集中できないときは?をご覧ください。
- 終わりを見える形に
「終わるまでやる」は、小さな子には長すぎます。今日やることを3つ書いた小さな表に、終わるたびに自分で印をつけると、「あと1つだけ」が見えてきます。
- できたら「花丸」
日本では、小学校の先生の多くが、よくできたプリントやノートに「花丸」をかきます。お金やおもちゃではなく、「先生はあなたのがんばりを見ているよ」という小さなしるしです。
家で始めるなら終わったページに花をひとつかく、カレンダーにシールを1枚はる。続いた日が目に見えるようにしましょう。
- まちがいの話は「どこまでできたか」から
「3問まちがい!」ではなく、「7問できたね。この3問はいっしょに見直そう」。まちがえてもしかられないとわかって、子どもははじめて挑戦できます。

どうほめれば、もっと勉強したくなる?
同じようによくできたときでも、ほめ方によって、子どもの心に残ることは大きく変わります。
がんばり・やり方をほめる
- 「最後の問題までやったね!」
- 「このやり方、自分で考えたの? いいね」
- 「きのうはむずかしかったのに、今日はできたね」
- 「まちがえても、もう一回やってみたね!」
「頭がいいね」とほめる
- 「頭がいいね!」
- 「こんなの簡単でしょ」
- 「生まれつき算数が得意なんだね」
1998年、心理学者のクラウディア・ミューラーとキャロル・ドゥエック(米コロンビア大学)は、小学生が問題を解いたあとに、「頭がいいんだね」か「よくがんばったんだね」のどちらかでほめる実験をしました。そのあとでむずかしい問題に出会ったとき、がんばりをほめられた子どもたちのほうが、頭のよさをほめられた子どもたちより粘り強く取り組み、楽しみ、よい成績をあげました。
こう考えるとわかりやすいかもしれません。できたのが「頭がいいから」なら、まちがえることは「頭がよくない」ことになり、むずかしい問題を避けるようになります。なまけているように見える子が、じつはまちがえるのを避けているだけ、ということもあるのです。
ほめるのは、子どもが「したこと」。子どもが「どんな子か」ではありません。
子どもが勉強をなまけるとき、しないほうがいい4つのこと
どれも、心配だからこそついしてしまうこと。でも多くの場合、子どもはますます机に向かいたくなくなります。
- 友だちやきょうだいと比べる。「下の子はできるのに、どうしてできないの?」は、やり方を教えてはくれません。自分はだめだ、と教えるだけです。
- スマホをごほうびにする、取りあげるとおどす。勉強が「スマホを見るためにはらう代金」になってしまいます。スマホの時間は、勉強とは切りはなした別のルールにしましょう。
- 長い時間すわらせる。心ここにあらずで2時間すわっていても、「勉強はがまんするもの」と教えるだけです。
- 宿題を代わりにやってあげる。宿題は出せても、子どもは「がんばらなくても、だれかがやってくれる」と覚えてしまいます。日本人は子どもの自立をどう育てる?もご覧ください。
目標は、今日長くすわることではなく、明日もまた机に向かいたいと思えることです。
家での勉強は1日どのくらい? 年齢別の目安
下の時間は、私たちが教えてきた経験からの目安で、守らなければならない数字ではありません。ペースは一人ひとり違います。つかれている日は、少なめでもかまいません。
- 5〜6歳遊びの中で、10分くらい
物を数える、ぬり絵、パズル、親子で絵本。まだ「宿題」はいりません。机に向かうことに慣れて、楽しいと思えれば十分です。
- 小学1〜2年15〜20分くらい、途中に休けい
短い2つに分けて、あいだに立って水を飲みます。保護者は近くにいても、やるのは子ども自身です。
- 小学3〜5年自分で計画を立てる練習
今日は何を、どんな順番でやるかを子どもが自分で書きます。保護者は少しずつ「声をかける人」から「一日の終わりにいっしょにふり返る人」へ。
少しずつ毎日のほうが、たくさんをときどきより、ずっと力になります。学校の宿題が多いときは、さらに足さないようにしましょう。
短く区切れば続けられる:私たちのそろばん教室の例
Kodomo Soroban Center(ハノイ、Vinhomes Gardenia)では、60分の授業を7つの短いパートに分けています。はじめのあいさつ、準備、マス計算、そろばん、暗算とフラッシュ暗算、片づけ、終わりのあいさつ。いちばん長いパートでも20分ほどです。
私たちの経験では、パートが短く、終わりがはっきりしていると、多くの子が授業の最後までついてこられます。家でも、20分を3〜4つの小さな作業に分けてみましょう。たとえば、無料の練習プリントから始めるのもよい方法です。
センターの生徒は、家でも会員コードでそろばん練習ルーム(ベトナム語)を使って練習できます。1回の授業の流れもご覧ください。無料の体験授業は、お問い合わせページから、または電話・Zalo 096.802.8484 でお申し込みください。
先生に相談したほうがいいのは、どんなとき?
家での勉強のしかたが変わると、少しずつ変わっていく子はたくさんいます。ただ、保護者がじっくり取り組んでも何週間も続くとき、急に様子が変わったとき(前は楽しそうだったのに、勉強したがらなくなった)、学校でも同じようなとき、目を細める・ノートに顔を近づける・何度も聞き返す様子があるときは、担任の先生と話し、目と耳の検査も受けてみてください。「なまけ」に見えていたのが、じつは黒板がよく見えない、先生の話がよく聞こえない、ということもあります。
よくある質問
子どもが勉強をなまけるのは、性格のせいですか?
多くの場合、そうではありません。私たちが見てきたかぎり、「なまけている」ように見える子は、たいてい何かにつまずいています。むずかしすぎる・やさしすぎる、つかれている、何から始めればいいかわからない、まちがいがこわい、スマホがそばにある、など。その理由が解決すると、少しずつ自分から取り組むようになる子が多くいます。
勉強したら、お金やおもちゃをごほうびにしてもいいですか?
おすすめしません。私たちの経験では、ごほうびがお金やおもちゃだと、ごほうびがあるときしか勉強しなくなりがちです。手がきの花丸やカレンダーのシールのような小さなしるしと、がんばりを具体的にほめることばを使いましょう。
親がとなりに座らないと勉強しません。どうすればいいですか?
小学1〜2年なら、よくあることです。少しずつはなれていきましょう。はじめはとなりに座る、次は同じ机で自分の用事をする、次は同じ部屋の少しはなれた所にいる、最後は終わったときに見に行くだけ。それぞれの段階を1〜2週間くらい、子どもに合わせて続けます。
小学1年生は、家で1日どのくらい勉強すればいいですか?
多くの1年生には、1日15〜20分くらいがひとつの目安です。短い2つに分けて、あいだに休けいを入れましょう。時間の長さより大切なのは、毎日同じ時間・同じ場所で続けることです。
先生に相談したほうがいいのは、どんなときですか?
何週間も続くとき、急に様子が変わったとき、学校でも同じようなとき、見えにくそう・聞こえにくそうな様子があるときです。担任の先生と話し、目と耳の検査も受けてみてください。
無料体験で、そろばんを試してみませんか
ハノイ・Vinhomes Gardenia のセンターで、1クラス3〜5人、1回60分。日本で教えているのと同じ方法です。電話・Zalo 096.802.8484。




