フラッシュ暗算とは? 家で子どもとフラッシュ暗算を練習する方法

画面に数字がパッと出ては消えていきます。7…2…5…。ほんの数秒後、子どもが「14!」と答えます。これがフラッシュ暗算。日本でそろばんの学習と結びついている暗算練習です。私たちは日本人で、ハノイで子どもにそろばんを教えています。まず保護者の方にお伝えしたいのは、フラッシュ暗算は目の速さを競う遊びではなく、「頭の中のそろばん」をしっかり育てる練習だということです。

フラッシュ暗算は、画面に次々と出ては消える数字を、頭の中に思いうかべたそろばんでたしていく練習です。
- 数字が速すぎて心の中で読めないので、珠が動く「像」を見て計算する
- 土台は本物のそろばん:先に手で珠を動かし、フラッシュ暗算はそのあと
- 難しさを決めるのは、けた数・口数・速さの3つ
- はじめは1けた・3口・1つ1秒から
- 5回続けて正解したら一段上げる。変えるのは一度に1つだけ
- 1日5〜10分。まちがいが続いたら速さを下げ、答えをせかさない
フラッシュ暗算とは?
日本語の暗算(anzan)は、紙や鉛筆を使わずに頭の中で計算すること。フラッシュ(flash)は「パッと光る」という意味です。フラッシュ暗算は画面を使う練習で、数字が1つずつ一瞬だけ出て消えていきます。最後の数字が消えたら、合計を言うか入力します。
数字は「7たす2は9」と心の中で読む前に消えてしまうので、頭の中のそろばんがあってはじめてついていけます。そのしくみは日本式の暗算(anzan)とは?でくわしく紹介しています。この記事では、フラッシュ暗算の練習のしかたを中心にお話しします。
日本では、フラッシュ暗算は競技でもあります。全日本珠算選手権大会では、フラッシュ暗算は独立した種目の1つで、3けたの数字15口を計算します。ギネス世界記録にも、この種目の記録があります。
ギネス世界記録のサイトによると、この記録は2024年に東京で日本の選手が出したもので、3けたの数字15個がすべて出て消えるまで、合わせて1.61秒でした。これは長い年月の練習の先にある頂点で、始めたばかりの子どもがめざすものではありません。
フラッシュ暗算のとき、頭の中では何が起きている?
とても短い問題で考えてみましょう。7、そして5。そろばんを習っている子なら、次の3つのステップで進みます。
- 数字を見る――珠の形が見える
7が出ます。子どもは心の中で「なな」と読むのではなく、1本のけたに5珠1つと1珠2つが入った、7の珠の形がすぐに見えます。
- 頭の中で珠が動く
5が出ます。子どもは思いうかべたそろばんで5を入れます。本物のそろばんで手がするのとまったく同じで、「10の友」を使って一の位から5をとり、十の位に1を入れます。
- 答えを読む
最後の数字が消えたとき、頭の中のそろばんには答えが出ています。あとは珠の形を「読む」だけ。十の位が1、一の位が2で、12です。
だからフラッシュ暗算の土台は本物のそろばんです。頭の中の像は、手で何百回も珠を動かしてはじめて、はっきりしてきます。インドの子どもたちを対象にした研究(Frank & Barner, 2012)では、熟練した人は頭の中のそろばんを、ことばではなく、けたごとに分かれた「像」として保っていることが示されています。
本物のそろばんを習う前だと、子どもはたいてい心の中で数字を読んでたします。小さい数・ゆっくりならそれでもできますが、口数が増えて速くなると、その先へは進みにくくなります。
フラッシュ暗算は珠の動かし方を教えてくれるものではありません。手がもう知っていることを、もっと速く使えるようにする練習です。家にまだそろばんがなければ、オンラインそろばんで珠の形に親しんだり、そろばんとは?を読んだりしてみてください。
フラッシュ暗算の難しさを決める3つの設定
フラッシュ暗算の問題は、どれも3つの数字で調整します。この3つがわかると、いつ上げて、いつ下げればいいかが見えてきます。
1回に出る数字の数:3口、4口、5口……。口数が増えると、答えを長く頭に置いておく必要があります。ふつうは最初にこれを上げます。
1つの数字が出ている時間:1秒、0.8秒、0.6秒……。今の口数でしっかり正解できるようになってから上げます。
1けた、2けた、3けた。けたが1つ増えるたびに頭の中で見るけたも増えるので、これは最後に上げます。
変えるのは一度に1つだけ。口数と速さを同時に上げると、まちがえたときに原因がわかりません。下は Kodomo Soroban Center の進み方にそった目安です。あくまで参考で、進む速さは子どもによってちがいます。
- 始めたばかり1けた · 3口 · 1.5〜1秒
5回続けて正解できるくらいやさしく。最初の週は速さではなく、習慣づくりが目標です。
- レベル0修了1けた · 5口 · 0.8秒
本物のそろばんでたし算・ひき算が確かになったら、2けた · 3口 · 1.5秒も始めます。
- レベル12けた · 5口 · 1秒
ひき算も入れます。
- レベル22けた · 10口 · 0.6秒
3けたを3〜5口で始めます。
無料のフラッシュ暗算ツールの使い方
暗算トレーニング オンラインのページでは、スマホでもパソコンでも、インストールなしで無料でフラッシュ暗算を練習できます。

- けた数(1・2・3けた)、口数(3口〜15口)、速さ(1つ2秒〜0.3秒)を選びます。「ひき算あり」はもう少しあとで。
- スタートを押すと、3、2、1と数えてから数字が次々に出ます。下の黄色いバーが、1つの数字の時間に合わせて短くなっていきます。
- 最後まで出たら答えを入力して答え合わせ。出た数字がすべて表示されるので、どこでまちがえたか確かめられます。同じ問題をもう一度か次の問題を押します。
- スタートボタンの下の行には、正解の数、連続正解の数、そのレベルの記録が出ます。5回連続で正解すると、一段上げるようにすすめてくれます。
ツールの「コツ」と同じく、1けた・3口・1秒から始めましょう。慣れてきたら、最後の数字が消えたところで目を閉じ、珠を思いうかべてから答えを入力してみます。設定と記録はお使いの端末に保存されます。
家でのフラッシュ暗算は1日5〜10分
保護者がそろばんを得意である必要はありません。となりに座って、リズムを守ってあげるだけで大丈夫です。
- 毎日同じ時間に。たとえば、練習プリントやそろばんの練習のあとに5〜10分。
- やさしいところでウォーミングアップ。一段やさしい問題を2〜3回やってリズムに乗ってから、いつものレベルへ。
- まちがいが続いたら速さを下げる。一段もどるのは負けではありません。頭の中の像をもう一度はっきりさせるためです。
- その週の最高記録を書き留める。子どもは自分の「記録を破る」のが大好きです。
避けたい3つのこと:
- 答えをせかす。「早く、いくつ?」と言われると、頭の中の像が消えてしまいます。子どもが言うまで待ちましょう。
- ほかの子が速いからと速さを上げる。進む速さは子どもそれぞれ。比べると楽しさがなくなります。
- 週末にまとめて長く練習する。1時間続けてやるより、毎日10分のほうがよいのです。
速さだけでなく、集中したことや毎日続けたことをほめてあげてください。速さは少しずつついてきます。集中が続きにくい子には、子どもが勉強に集中できないときは?も参考にしてください。
Kodomo Soroban Center の授業でのフラッシュ暗算
Kodomo Soroban Center では、フラッシュ暗算は別の科目ではなく、毎回の授業の中にあります。60分の授業は7つのパートに分かれています:あいさつと準備、マス計算、そろばん、暗算とフラッシュ暗算、そして片づけとおわりのあいさつ。暗算のパートは必ず本物のそろばんの練習のすぐあとです。手で動かしてから、頭で計算します。
1クラス3〜5人。5歳のクラスと小学生のクラスがあり、レベル0 → 1A → 1B → 2 と進んで、日本の形式の検定を受けます。会員の生徒は、家で会員コードを使ってそろばん練習ルーム(ベトナム語)に入り、フラッシュ暗算の練習を続けられます。
1回の授業の流れ、Vinhomes Gardenia のセンター、学校内のそろばんクラブもご覧ください。体験授業は無料です。お問い合わせページから、または電話・Zalo 096.802.8484 でお申し込みください。
よくある質問
フラッシュ暗算とは何ですか?
日本の暗算練習の1つで、画面に数字が次々ととても速く出ては消え、子どもは頭の中でたしていって合計を答えます。そろばんを習う子がついていけるのは、頭の中にそろばんを思いうかべて珠を動かしているからです。日本では、そろばんの大会の種目にもなっています。
フラッシュ暗算は何歳からできますか?
決まった年齢はありません。年齢よりも、0〜9の数字がしっかりわかり、本物のそろばんで珠を動かしはじめていることが大切です。Kodomo Soroban Center には5歳のクラスがあります。何歳でも、フラッシュ暗算は1けた・少ない口数・ゆっくりから始めます。
そろばんを習っていなくてもフラッシュ暗算はできますか?
やさしいレベル(1けた・3口・ゆっくり)ならできます。この速さなら、ふつうのたし算でも間に合います。けれど口数が増えて速くなると、頭の中の珠の像が必要になります。つまり、先に本物のそろばんを習うことが必要です。
無料のフラッシュ暗算アプリはありますか?
私たちのサイトに、無料の「暗算トレーニング オンライン(フラッシュ暗算)」があります。スマホやパソコンのブラウザですぐ使え、インストールはいりません。けた数(1〜3けた)、口数(3〜15口)、速さ(1つ2秒〜0.3秒)を選べて、慣れたらひき算も入れられます。
フラッシュ暗算は1日どのくらい練習すればいいですか?
1日5〜10分で十分です。練習プリントやそろばんの練習のあとがおすすめです。週末に長くやるより、短くても毎日続けるほうがよいでしょう。まだやりたいと思っているうちにやめると、次の日も楽しみに戻ってきます。
無料体験で、そろばんを試してみませんか
ハノイ・Vinhomes Gardenia のセンターで、1クラス3〜5人、1回60分。日本で教えているのと同じ方法です。電話・Zalo 096.802.8484。




